春の太陽が夏の照りつけるものへと変わり、はそんな事もお構いなしに太陽の下で森の広場のベンチへと一人占領していた。 最近ちょっとした、(自分にとっては大問題だが)悩みを抱えていて、それを考えると夜もほとんど眠れないのだ。眠い・・・。今にでも瞼と瞼がこんにちわ、しそうだ。 だけどこの悩みが解決しないと、おちおち寝てられない! あの人の笑顔を見たり、あの人と話したり、あの人をちょっと見かけたりしただけでも、胸がざわめく。(これを恋煩いと言うのか!) 「うー・・ん。相当重症だなぁ」 「何?何処か悪いの!?」 「ッうえぇっ!?」 くたっとだらしなく手を垂らせて、ベンチの背に頭を乗せて、顔を上に向けていると急に明るい笑顔と煌びやかな黄緑色が視界に広がった。 「その様子なら大丈夫なようだね。こんなトコで何やってるの?ちゃん」 「ひ、火原しぇんぱいっ!」 今考えていた想い人、本人が突然現れたので吃驚し、つい言葉を噛んでしまった。(おまけに下まで噛んでしまった;てゆーか先輩って神出鬼没だなっ) それを聞いて可笑しそうに笑い出す先輩を見て、恥ずかしくなり、顔を背ける。 「そんなに笑う事ないじゃないですか!!」 「ご、ごめん・・。可愛くてさ、つい」 「(んなこと平気な顔してさらりと言わないで下さいよォォッ)」 心臓が持ちませんから!! 「ねぇ、暇ならさ、一緒にバスケしようよ!他に俺の友達も居るからさ。・・嫌なら良いけど、」 「あ、そんな事ないです。やります、やります!!バスケ大好きなんでっ」 「おっ。じゃあ勝負だ、ちゃん!!」 「望む所です!!」 まぁほとんど勝ち目なんてないと思うのだが。だって身長からして違う。私より頭二個分以上高いし。 ニカッと笑って実に楽しそうに笑う先輩を見て、やっぱりこの笑顔が好きだなぁと再度思う。(同時に心底好きなんだとも再認識させられた)行こうと促されてベンチから腰を上げると、伸びを小さくしてから歩幅を合わせてくれる火原先輩の横へと移動して歩き始めた。 持っているバスケットボールを一指し指でくるくる回している先輩の横顔を盗み見て、ふと火原先輩は自分の事をどう思っているのかと疑問に思い立ち、聞いてみようかと口を開きかけた。 いや、いや、いや。それでなんて大嫌いなんて言われたら・・・生きてられない! 「先輩?」 「なぁに?ちゃん」 「えっと、えっとですね・・・」 勘切れず声をかけてしまったが、女・。思い切って聞いてみますっ。 「火原先輩は、私のコト、どう思って・・ますか?」 必死に声を振り絞って聞けば、先輩はぽけっとしたかと思うとすぐに私の好きな笑顔になり、バスケットボールをこちらにパスしながら少し恥ずかしそうに顔を赤らめて言葉を返した。 「何言ってんの。大好きに決まってるじゃん!!」 こんな事を平気で言っちゃえる先輩に、めっちゃくちゃときめいたのは秘密です。 (ちゃんは俺の事どう思ってる?)(もちろん大好きですよ!) 東雲紅葉ちゃんに贈ります! 008.5.15.20:11 |