「いってらっしゃい、古泉君。」 「いってきますさん。」 さみしいけど笑顔で送り出さなきゃ!せっかく古泉君の家に遊びに来たのはいいけどまた例の閉鎖空間が発生して古泉君は機関の人達と共に行ってしまった。せっかく晩御飯一緒に食べようと思って食材を買ってきたのに…。古泉君の好きそうなもの(嫌いなものなんてなさそうだけど!)をスーパーで選んでちょっと新婚さんっぽいな、って思ってちょっと嬉しかったのに。帰ったらすぐいってらっしゃいかい。いってらっしゃいのちゅうもなかったよ!まあ、古泉君はいいそうにもないけど…。でもちょっと聞いてみたい!仕方ないからあたしは自分の分と一応古泉君の分の晩御飯を作り始めた。今日はハンバーグです。あたしが作ったから古泉君の口には合わないかもしれないけど。……いないから別にいいもん。お気に入りの淡いピンクのエプロンをつけて付け合せの物も料理し始める。一緒に食べたかったな。古泉君の話とか、あたしの話でもいいや。涼宮さんやSOS団の愚痴なんかでもいい!(言うはずもないけど!)なんでもいいから話をして、2人で笑ってご飯を食べるの。なんでもないけどとっても幸せな時間。お料理失敗しても古泉君は優しいからおいしいですよって言って全部食べるんだろうな。この日のためにがんばって練習してきたお料理たちもようやくお披露目!とか思ったんだけど。まあ、閉鎖空間ときたら仕方がないって言うしかないよね。だって地球を守るかあたしと一緒に居る時間を守るか、(できれば後者がいい!、なんていえれないけど)古泉君は凄い人。あたしなんかお呼びでない!って感じ?なんでこんなあたしと一緒に居てくれるんだろうね。何にもできないのに。お料理の準備を全部してしまった私は何もすることがなくソファに腰掛ける。ふと、部屋の隅に古泉君のアイロンしかけているYシャツを見つけて笑みがこぼれる。 「古泉君がアイロンしてる姿ってなんか想像できないなー。」 くすっ、と笑ってYシャツを手に取る。半分だけアイロンがかけられているなんだか間抜けなYシャツにアイロンをかけたくなってきた。そうと決めたらすぐ実行、なので用意をしてアイロンをかけ始める。あ、なんだかこれって奥さんっぽい?旦那の帰りを待ちながらアイロンをかける。なんだかそう考えると嬉しくなってきた。私はその周りにあったYシャツもアイロンをかけといた。古泉君が帰ってきたらなんていうかな?びっくりするかな?いつもみたいにさわやかに笑うかな?それとも困ったように笑うかな?古泉君の反応を考えてたらだんだん眠くなってきた。机の上に突っ伏して夢の中へと入っていった。古泉君の帰りを待ちながら。早く帰ってきてね。古泉君だいすき。 「僕もさんが好きですよ。」 部屋とYシャツと私 (あ、古泉君おかえりなさい!ねててごめんね…、あれ?この毛布…)(さあ、さんの作ってくれた料理を食べましょうか) |