今日はあたしのクラスに一人の転校生が来た。 やけにニコニコと笑っている古泉とか言う人だ。 先生は一通り転校生に挨拶をさせると私の隣を指差してあそこに座りなさい、と言ってのけた。 「古泉一樹です。よろしくお願いしますね。」 あたしは古泉とやらの方を見ず机に肘をついたまま無愛想によろしく、といった。こちらとしてはあまりよろしくしたくないのだが。 すぐにホームルームの終わりのチャイムがなって転校生の席にはクラス中(これ、他のクラスの人も居るじゃん、)の女子が目をハートにして集まっていた。 転校生は困った顔ひとつせずやはりニコニコと笑って一人ひとりの女の子の質問をかわしていく。そんな情景を横目で見つつあたしは次の時間の用意をして友人の元へ行く。 「、あんた古泉君となりでラッキーね。」 「別にラッキーじゃないわよ。教科書とか見せなきゃだめだし」 「あー、よく転校生の隣になるもんね。」 けらけらっと笑ってあたしに言う。ガラッと扉を開けて先生が教室に入ってくる。時計を見るとあと少しで授業が始まるところだった。転校生の(古泉とやら、)そばに居た女の子もだんだんと少なくなっていた。チャイムがなると先生が号令、と言い委員長が号令をした。 「すみません、まだ教科書が届いてないので見せてもらってもいいでしょうか。」 「・・・いいよ。」 「ありがとうございます。」 古泉君はニコリ、とあたしのほうを見て笑ったがあたしは前を見たままいーえ、とだけ言った。授業中、先生が余所見をしているときに古泉君はがんばってあたしに話しかけていたがあたしは別に、など古泉君の顔を見ずに答えていった。古泉君はあたしに話しかけるのを諦めたらしくくるくると器用にペン回しを始めた。その後も軽快に授業は進んでいき、昼休みになった。昼休みは先ほどと比べ物にならない位女の子が集まっておりさすがに困るかと思いきや、古泉君は笑みを絶やさなかった。あたしはというといつもお弁当を食べるメンバーで机を引っ付けあわせて他愛もない話をしていた。 「しっかし転校生すごい人気だねー!!」 「まあ、あれだけ顔がよけりゃねー。芸能人も顔負けだよ。」 「となりいいなー。」 「そんなこ「転校生が来たっていうのはこのクラス?!」 そんなことないよ、って言おうと思った瞬間後ろの扉がものすごい音を出して開いた。そんなに勢いよくあけたら壊れるって。今まで騒がしかったクラスは一瞬で静かになり扉のほうに集中した。しかし当の本人はそんなことお構いなしであたしを見つけると笑顔で駆け寄ってきた。なんでこっちに来たのかって言うとこのクラスにはあたししか東中出身は居ないから。ハルヒはそんなこと気にしないとは思うけど。 涼宮ハルヒである。 「ねえ、。このクラスでしょ?転校生が来たのって!」 「うん、そうだよ。あそこに座ってる人。」 「ははーん、あいつね・・・。ありがとっ!」 ハルヒが古泉君の席のほうへ行くとみんなそっちへ神経を集中させた。 あたしはそのままお弁当を食べ始めようとすると友達の一人があたしに耳打ちをしてきた。 「どうする、古泉君盗られちゃうかもよ?」 「・・・?!」 あたしは箸を落としそうになってすんでのところでキャッチした。 「な、何言ってんのよ!あたしが古泉君の事好きなわけ・・・。」 「。」 う、なんでこの子にはわかっちゃうんだろう。ばれないと思ってたのに。 真剣な目で見られたあたしはこれ以上は騙せないと確信してばつが悪そうに喋った。 「・・・うん、すき。」 「だったら隣の席いいじゃん!!」 「よくないのー!!あの綺麗な顔で見つめられたら・・・ああ、もう息できないよー。」 「まったく、はあんまり恋したことないからねー。」 「うう・・・。」 目を瞑ってうんうんと頷いてる。 「あたし、そっけない態度にプラスして古泉君の顔も見てない・・・。」 「ええ、それって超やなやつじゃん。」 自分でわかってても他の人に言われるとつらい。わかってるけど・・・、でも・・・。 「顔見たらどきどきして心臓が破裂するよー・・・。」 「まったく・・・。ほら、がんばりなさいよ。」 予鈴がなるとまた女の子達は去っていった。あたし達2人以外の子達は古泉君と涼宮さんの方ばっか見てて食べてなかった!とあせって食べ始めてた。あたしはその光景を見て笑いながら自分の席に戻った。 「なんだか楽しそうですね。」 「えッ、・・・いや、うん・・・。」 急に話しかけられてびっくりしたあたしは笑うのをぴたっとやめて下を向く。 あー、嫌だ嫌だ。あたしは今流行のツンデレか?いやいや、ツンとデレの割合絶対おかしい。あたしの場合10:0くらいだ。そりゃツンツンだ。 あたしが頭の中でそんなへんなことを考えてると古泉君は悲しそう笑いながらにつぶやいた。 「さんは僕と喋るのが嫌なんですかね・・・。」 違う違う違う!!!そうじゃなくて・・・、あたし、は 「古泉君がすき、だから!!」 あたしは何を言ってるんだ。こんな事言うつもりはなかったのに。真っ赤になった顔を隠すように机に思いっきり突っ伏した。 「・・・さん。」 古泉君は心底驚いた、という声で(きっと、顔も)あたしのことを呼んだ。お願いします。誰かここにドラ●もんをつれてきて。今すぐに!そしてタイムマシンを貸してくれええええええええ!! 「・・・さんに嫌われてなくてよかった。」 「へあ?!」 あたしが素っ頓狂な声を出して起き上がると照れ笑いをして少し赤くなった古泉君の顔があった。え、それって・・・。 「好きです。さん。」 |